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先生との相性「感覚派│理論派」

文系脳と理系脳

人は大きく2つに分けると理系脳と文系脳に分けることができて、音楽に関係することも見事に傾向が分かれます。まずは下の音楽シーンでの「あるある」を見てみてください。あなたはどちらに当てはまりますか?

レッスンあるある

先生の教え方

理:ここ楽曲分析するとね、であるからにして、ここはこう歌うのね、だけどね…キーンコーンカーンコーン

文:もっと山を動かすようにー!ぐっとやってポン!……なんでできないのー!ピシャッ!

音楽の感じ方・音の聴き方

理:物理運動として聴く「今、音高がこれくらい下がった」

文:イメージ先行で聴く「今、音が暗くなって悲しげに聴こえた」

演奏する時の音の処理の仕方

理:1音1音整理して、綺麗に箱にしまう。「どこからもはみださないでね♡」

文:終わりよければ全てよし。音よ俺についてこい。「今どんな音出したっけ?まあ楽しかったからいいや」

音楽理論めいた話のとき

理:あーなるほど!キラキラッ☆

文:へーそうなんだ。スタスタスタッ

好きな音楽の話

理:やっぱさー、これって何を表しててさ、この辺の位置づけだと思うんだよね。これを良い音だと思う理由ってこれじゃない?

文:やっぱさー、この音いいよね。(なんでそう思うの?)なんとなくだけどさ、気持ちが大事だよね。パッションだよね~。伝わるよね~。

あなたはどちらに当てはまりましたか?
ここから極端な例を引き合いに出しますので、その特徴を比べてみてください。
実際には“程度問題”になります。


理系脳の特徴とレッスン

理系脳はやっぱり音楽理論や決まり事を覚えるのが得意で、音楽的な状況の把握やその変化に敏感です。形にはめるのが上手く、言われたことが理に適っていると納得します。

理系脳が苦手なのは自発的に抑揚を作ったり、感情表現をすることで、音楽が平坦になりやすい人が多いです。その理由はハッキリしていて、音楽や音の変化を物理運動として聴く傾向があるからです。例えば抑揚や表現というのは音程の変化などからも生まれます。悲しげな表情は正しい音程より低い音高で演出されたりするものですが、理系脳の人はこれを感性や感情と結びつける前に「正確な音程より低くなった・音がずれた」と、機械的な側面で音の変化を認識してしまうのです。絶対音感の人が、一般的には感動するとされる何かの演奏を聴いていて「ホラ、音ずれてんじゃん」と自慢げに話したりしますが。

自分で歌ったり演奏する時も、「間違えないように・はみださないように」する。すると、箱にはまった抑揚の乏しい演奏が出来上がるわけです。(もちろん傾向としてですが)

理由が分からないと気が済まない理系脳の人には、教える時には必ず理由を付けます。「今、あなたの出した音はこういう状況です。これをこうするために、これをこのくらい調整してください。するとこういう感情表現が演出できます。」つまり「悲しげな表情を演出するために、ここはあえてこの程度下がった音程を狙いましょう」と言ったりするわけです。

文系脳の特徴とレッスン

これに対して、音楽を何でもイメージで捉え、気持ちで反応するのが文系脳です。上の例で続けると、理系脳が「音高が下がった」と思っている時、文系脳は「悲しい感じがする。色が暗くなった。悪魔が降りてきた」などと、それはまぁ勝手なイメージが先行します。感受性豊かで、発想力に優れているのが文系脳です。

文系脳が苦手なのが、音楽を科学することです。音高変化に対して物理的に感応する癖がないので、音高・音程間隔を覚える聴音が苦手だったりします。ド文系脳の人は、音楽理論はどうでもいいし、感情と関連付けるように指導すると、その時はハイと頷いてもだいたいどこかのタイミングで忘れます。聞き返して説明を促すと答えられない。手順を踏まずにその場の感情で音を出すので音楽にムラが多いのが特徴です。その上そういう人に限ってまぁメモをしない笑。文系脳100%(は、ほぼ居ないですが)の人は「たまたま上手」でない限り上達するのが致命的に遅いです。

感性と勢いで表現する文系脳にはイメージが広がるきっかけを与えます。モノに例えたり、擬音語を使ったり、おだてて気分を乗せたり笑。ただ、あまり整理せず前回やったことを忘れて来たりで、毎回これの繰り返しになる人が多くて色々もったいないなと思います。「鼻にかける動作を入れると漏れが減ってブレスが続きますよ」「あ、本当ですね!先生!目から鱗ですっ」「……先週もお話ししたんですけどね…苦笑。」…良くあることです。

どっちが必要?

要はどっちも大事なのです。どちらの気質も持とうとすること。自分で長所・短所を理解し、2つの気質をバランスをとって使って行くことが良い音楽に繋がっていきます。音楽に限らず、何かでつまづくとき、何か問題が起こるときというのは、「気質や行動が偏っている」ときです。反対の気質を使うこと。それが上達の根本的な方法であり、それをやらなければ永遠に現状と同じ結果を繰り返すことになります。

ちなみに僕は理系脳的アプローチを育ててきた文系脳です。小難しいことを考えるのは好きだけど、やっぱり頭に妖精さんが出てきたりするんですよ笑。

先生との相性

音楽に限らず何かを習うとき、先生との相性ってのはよく問題になりますが、両者がこれらに気が付かずに意識をしていない場合は、結局はこれらの感覚がたまたまどの程度合致するかということになると思います。例えば文系脳100%の先生に「それはどうしてですか?」と聞いてみてください。解決方法を言語化してフィードバックできませんので、曖昧な答えと一方的なお手本しか返ってこないでしょう。例えば理系脳100%の先生に「どんな感じでやればいいんですか?」と聞いてみてください。手本は見せずに理屈だけで伝えてくると思います。

プレーヤーなら100%文系脳でも問題ありませんし、指導者なら100%理系脳でも問題ありません(お手本は音源で流せば、最低限レッスンは成り立つため)。こんな時代にひとつ言えるのは、文系脳100%の指導者(ほぼ居ないから言いますが)は何よりも要らないということですかね。素晴らしい手本がYouTubeで無料で聴ける時代ですから、わざわざお金を払って一人の人間の音声サンプルだけ聴きに行くのは時間とお金の無駄と言えます。

さらに詳しく

今回は大きく、本当に大雑把に2つに分けて説明しましたが、これらは「16タイプ診断」や「MBTI」などに使われる指標を使ってさらに詳しく説明することができます。

I 内向/外向 E
S 感覚/直感 N
思考/感情 F
J 判断/知覚 P

これら1つだけの指標では理系脳か文系脳かは決まらないし、判断することはできません。
唯一、単独の指標で傾向が出るのは
(理系脳) 思考/感情 F(文系脳)
です。

そのほかの指標は、組み合わさることで気質の傾向がハッキリ出てくるようになります。

理系脳文系脳
N×T 構造/抽象 F
S×T 精査/操作 S×F
など


MBTIに関しては学習コラム「読んで学ぶ」シリーズにて解説していきます。