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個人のクセと「5つの歌声成分」

長所と短所を理解する

以下の記事で「5つの歌声成分」の全体像を紹介し、この記事では「個人が持っている気質のクセ」との関係性を解説していきます。

「5つの歌声成分」の情報にはたくさんの感覚抽象化されたイメージ筋肉の具体操作構造化された発声理論、が含まれています(含ませてあります)。なので、個人の興味や特性に合わせてどの切り口から入っても、最後は発声をコントロールできるようにトリックを仕組んであります。

歌声成分と気質が持つトリック

この仕組みと個人の特性の関係性について、見ていきましょう。

以下は「5つの歌声成分」のうちの1つ「共鳴」を練習している場面です。

Aパターンの人

たとえば、抽象的な情報や感覚的な情報を普段から扱っている人、扱うのが上手い人、扱いたがる人、扱わざるを得ない人、はこういった発声の捉え方をします。

『あ~、この声がフワッと浮いて集まった感じ、喉あたりが開いた感じ、掴めました!』

イメージや大まかな動きや流れなどで歌声をキャッチします。つまり“線”を扱います。

Bパターンの人

たとえば、具体的な情報や理論的な情報を普段から扱っている人、扱うのが上手い人、扱いたがる人、扱わざるを得ない人、はこういった発声の捉え方をします。

『響きの重心が鼻腔に移る、なるほど。喉ぼとけが下がって、喉ちんこが上がって、共鳴腔が広がる、なるほど。これが成分5つのうち「共鳴」ですね、分かりました。』

1つひとつの動作や1つひとつの仕組みで歌声をキャッチします。つまり“点”を扱います。

ここでクイズ

抽象的×感覚的な前者と、具体的×理論的な後者、結果的にどちらが歌声をコントロールできると思いますか?…

前者の問題点はこうなります。次の週…
先生『どうやったら共鳴を作れるか、“感じ”で良いので説明してみてください』
生徒『えっと…なんかサラッとした感じで、喉のあたりが…分かりません』
先生『それは「吐息」のほうですね。言語化できなくても感覚で覚えてれば大丈夫ですよ』
~成分5つを練習したあと~
生徒『どれがどれだか分からなくなりました…』
先生『もう少し具体的に身体操作を比較して覚えましょう』

後者の問題点はこうなります。次の週…
先生『先週やった共鳴の響き、一度やってみてください』
生徒『(発声~♪)…ん?…この音色で合ってますか??…体の感覚もこれで良いんですかね…確か、響きの重心が鼻腔に移って、喉ぼとけが下がって、喉ちんこが上がって、共鳴腔が広がって…(5分経過)』
先生『それでバッチリ合ってますよ、あとは情報をまとめて感覚で掴めるようにしましょう』

前者は再現性が課題になり、後者はリアルタイム処理が課題になります。それぞれこういった問題が現れた場合には、前者には後者の情報が、後者には前者の感覚が、正反対の気質が必要になるということです。具体情報を比較できなければ立ち位置が分からなくていつまでも迷うし、情報は1つの感覚へと抽象化できなければ実際の歌唱では即時運用することはできません。

どちらも偏ってしまえば、必ず何かしらの問題を生みます。バランスやタイミングに対する適材適所が重要となるということです。

すべてをカバー

こういった個人の気質による長所・短所の関係性を、抜け道(逃げ道)が発生しないよう、情報の具体度合い・抽象度合い、関係性まですべて構造にまとめてバランスを取ってあるのが「5つの歌声成分」の解決アプローチです。

ここまでやってある仕込み

ちなみに、先述のような「抽象的×感覚的」や「具体的×理論的」による問題が現れたときには、それぞれ反対の気質が解決策となりますが、もっとバランスの良い・効率の良い音の扱い方は「具体的な感覚/具体を含んだ抽象」「抽象的な理論(≒構造化)/構造的な感覚」にすることです。

たとえば、『鼻づまりのマネ』などです。この動作はある程度抽象的ですが、喉ちんこ上げ、喉ぼとけ下げ、呼気圧の最適化などという具体動作が暗に含まれていて、さらに誰しもが経験したことのある生理現象という点で具体性を帯びます。

これによって具体も抽象もバランスが取れた、つまり的を得た解決策になるということです。「5つの歌声成分」のアプローチには、こういった様々な具体度・抽象度の解決策を網羅して含ませてあります。

他にどういった気質を考慮すべきか並べておきます。

・理論で捉える/感覚で捉える(発声理論・音楽理論/イメージ・身体感覚)
・具体で捉える/抽象で纏める
(世間話/例え話)に現われる情報の認知
・思考で考える/感情で感じる(状況の俯瞰・冷静さ/状況への没入・熱量)
・時間を区切る/時間を繋げる
(止まる/進める)行動や感覚
・空間を区切る/空間を繋げる
(引く/押す)行動や感覚

つまりは情報処理

こういった工夫は「情報処理」の領域へと入っていきますが、この仕組みの理解と工夫の行程をわざわざ生徒さんがしなくても良いように、僕のほうで体系化を終わらせてあるのが「5つの歌声成分」となります。『歌を習いに来ているのに、情報処理ってどういうこと?』ってなるのでね笑。

ですが、これを自身で理解していると、勉強や仕事、スポーツなど、ありとあらゆる場面で問題の解決や効率化、パフォーマンスをコントロールすることができるようになります。何か問題が起こるのは、こういった気質と行動が偏っている時だからです。成功を邪魔する因子は自分の気質の偏りにあるので、自分が良く使う気質とその反対と気質を理解し、適切なタイミングで適切な気質を使うと停滞が解け、自然と良い循環が生まれてます。

個人の気質を理解する

音楽に限らずフルパフォーマンスを叶えるには、このような個人の気質のクセや、問題の解決策の特徴をまず的確に理解することが求められます。それ次第では上記の例のように解決策がまるっきり正反対なものに変わるからです。ゴールは「共鳴」作りという共通のものなはずなのに、解決プロセスは個人によって完全に変わるのです。時には細かい具体情報が有効になることもあれば、時には抽象的な感覚や抽象的な理論が有効になることもあります。

なので「5つの歌声成分」は僕の自信作ではありますが、結局は“使い方次第”なんですね。

「歌声成分5つ」×「的確な個人理解」で最強解決策となる

というのが正しい言い方になります。

僕の強み

多くの生徒さんが僕のレッスンを受けてくださる理由は、僕の生徒さんへの個人理解をベースとした、適切な解決策の処方にあります。僕がやっているのは「症状への対処」はもちろん、「症状の原因への対策」もそうだし、特に「症状の原因の原因の改善」です。

「原因の原因」については以下の記事をご覧ください。

関連記事:準備中

「個人理解」については以下の記事から深めることができます。

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